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リバプールとバルサ、CLベスト16入り マンチェスター・シティは「賞味期限切れ」か

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 チャンピオンズリーグ(CL)リーグフェーズ第6節。前節を終了した段階で、勝ち点15をあげて首位を行くリバプールは、12月10日(現地時間)、ジローナと対戦。1-0で勝利を飾り、ベスト16入り一番乗りを果たした。また同じく10日、第5節終了時点で24位と出遅れていた前回覇者レアル・マドリードは、好調アタランタ(5位)に3-2で打ち勝ち、20位に順位を上昇させた。

 一方、一昨季の覇者マンチェスター・シティ(17位・勝ち点8)は、12月11日(現地時間)、ユベントス(19位・勝ち点8)とのアウェー戦に臨んだ。

 セリエAでは現在、首位アタランタに7ポイント差の6位とやや出遅れ気味なユベントス。対するマンチェスター・シティも、ここに来てプレミアリーグで急に勝てなくなり、4位に陥落していた。

 プレーオフ進出は36チーム中の24位まで。最低でも勝ち点10が必要だとされるなかで、より負けられない立場にあるのは、ブックメーカー各社が本命に推すマンチェスター・シティのほうだった。

ユベントスに敗れたマンチェスター・シティのアーリング・ハーランドとジョゼップ・グアルディオラ監督 photo by Reuter/AFLOユベントスに敗れたマンチェスター・シティのアーリング・ハーランドとジョゼップ・グアルディオラ監督 photo by Reuter/AFLOこの記事に関連する写真を見る ユベントスの監督はチアゴ・モッタ。サンパウロ州出身のブラジル人(イタリア国籍も保有)だ。ビッグクラブの監督としてCLに臨むブラジル人監督は久しぶりである。欧州の強豪を率いるのはルイス・フェリペ・スコラーリ(2008-09シーズンのチェルシー)以来だろう。ブラジル人にいい監督がいないと囁かれる所以でもある。だからブラジルサッカー界にとっては本来、画期的な話であるはずだ。

 もっともモッタは若くしてバルセロナと契約した、マシアと呼ばれる育成組織出身の選手である。トップチームに昇格したのは、ジョゼップ・グアルディオラがバルサを退団した翌シーズン。バルサのトップチームでともに過ごしたわけではないが、身近な存在であったことは間違いない。グアルディオラと同じ守備的MFだったので、その後継者として期待されていた選手と言ってもいい。

 筆者は当時、モッタにかなり長いインタビューをしたことがあるので記憶に鮮明だ。ただ、そのインタビューからしばらくして、練習を休みがちになり、出番が激減したことが気になっていた。精神的な問題を抱えていると報じられたこともあった。それから20年。42歳になったモッタが希少なブラジル人監督として、グアルディオラ率いるマンチェスター・シティに挑む姿には感慨深いものがある。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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