サッカー日本代表のチャンピオンズリーグ出場選手をチェック チームに不可欠だった守田英正、南野拓実 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【代表に選ばれてしかるべきチェイス・アンリ】

 古橋は1-7というスコアの前に沈黙。そもそもボールが来なかった。後半の頭から出場した旗手も、大敗のなかに埋没した。

 ジローナ戦に臨んだフェイエノールトの上田は、不動のセンターフォワード、サンティアゴ・ヒメネス(メキシコ代表)が故障のため、スタメンのお鉢が回ってきた。だが後半31分、交代でベンチに退くまでの76分間に、前線でボールに触れた回数は10回に届かなかった。相手ゴール前でプレーしたのは2度。1度目はシュートを打たずに折り返し、2度目はゴールをキチンとコントロールしていれば、シュートに持ち込めたはずのチャンスボールを、マーカーに引っかけられ奪われてしまった。

 前半36分には、CL初ゴールを決めるチャンスが巡ってきた。PKキッカーを任されたのだ。だが、ジローナのGKパウロ・ガッサニーガにセーブされる。蹴ったコースが甘すぎた。

 日本代表でもそうであるように、上田はボールに触れる機会が少ない。よく言えば「待ちのストライカー」だ。周囲と能動的に関わるのが得意ではないことは、鹿島時代アントラーズ時代から感じられたが、それでは周囲との間で相乗効果が生まれない。もう少しチームの先頭に立つ姿勢を見せないと、ヒメネスのケガが回復すれば、ベンチ要員に戻るだろう。

 スパルタ・プラハとのアウェー戦に臨んだシュツットガルトのチェイス・アンリは、後半17分から右のサイドバックとして出場した。得点のチャンスが到来したのはその3分後。ショートコーナからゴール前でシュートチャンスを迎えた。右足で放ったキックは相手にブロックされ、ゴールをわずかに外れたが、188センチというスケールの大きさを感じさせるシーンだった。

 そのほかの動きも前節のレアル・マドリード戦同様に上々で、日本代表に選ばれてしかるべき選手だという思いを強く抱かせた。

 CLに出場してそれなりに活躍した選手は、できるだけ早く代表チームに呼んでみる。CLのステイタスが飛躍的に上昇したいま、それは慣例化されるべきではないか。第2節を終えたリーグフェーズを見て、筆者はあらためてそう考える。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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