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バルセロナの守護神探し難航で日本人の名前も浮上...「狂わないとやっていけない」特殊性 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 はたして、ペーニャは"狂える"のか?

 ペーニャは総合力の高い好GKと言える。ラ・マシア出身だけに、バルサのGKの資質も備えている。しかし問題は、常勝とスペクタクルが義務づけられたチームでゴールマウスを守る重圧に耐えられるか。ひとつでもミスが出ると、焦りが生まれ、負の連鎖が起こる。だからこそ、フリック監督も気持ちを落ち着かせるために先発を確約したのだろう。

 昨シーズン、テア・シュテーゲンの代わりに出た試合で、ペーニャは次第に不安定になっていった。すでに25歳だが、セカンドチームであるバルサBでのプレーが長く、トップリーグでシーズンを通じてプレーした経験がない。それだけに、どうしても好不調の波が出る。相手のアタッカーはほぼ動物的にその動揺を察知し、ノープレッシャーでシュートを打ってくるのだ。

「テア・シュテーゲンだったら、簡単なシュートでは止められる」

 相手は勝手に"名前"にビビるのだが、ペーニャにはそれがない。言わば、名前負けだ。

 クラブ内では、18歳のアメリカ代表ディエゴ・コチェンを将来のバルサGKとして見据えているという。まさにリベロGKの傑作。1、2年後だったら(現在はケガで離脱中)、テア・シュテーゲンの後釜に考えられるが......。

 いずれにしろ、クラブは名手テア・シュテーゲンの不在と向き合うことになりそうだ。

遠藤航、冨安健洋、南野拓実など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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