ブンデスリーガデビューのチェイス・アンリ、開幕戦ゴールの堂安律 ドイツで躍動する日本人選手の現地詳報 (3ページ目)

  • 林遼平●取材・文 text by Hayashi Ryohei

【優勝候補バイエルンは苦しみながらも勝利をもぎ取る】

 今年、ヴァンサン・コンパニ監督になって、バイエルンがどういうサッカーをするかが注目されたなかで、前半からすごくボールを動かして攻めていきました。先制するところまではすごくよかったと感じています。ただ、後半急に隙を突かれたように失点して、その後もうしろでのビルドアップのところでキム・ミンジェのミスから失点して逆転され、前半とは全く違うゲーム展開になりました。

 それでもベテランの力というのは大事だなと思わせてくれたのが、トーマス・ミュラーです。途中で出てきた直後のセットプレーでハリー・ケインからの落としを決めて同点弾を奪うんですけど(記録はオウンゴール)、追いついた瞬間、喜んだあとすぐに切り替えて監督から渡されたメモ用紙をチームメイトと確認していました。

 そういうシーンを見てもチームを一旦落ち着かせることができていましたし、それが結果的にケインのポストプレーからセルジュ・ニャブリが決めた決勝ゴールにつながりました(3対2で勝利)。バイエルンとしては苦しんだと思いますけど、こういう試合を勝ちきる強さを感じましたし、今後に向けてはジャマル・ムシアラがゴールを奪えたり(先制点)、ケインが活躍したりと、波に乗れる試合になったと思います。

 あとはここに早く伊藤洋輝選手が戻ってきてほしい。キム・ミンジェのミスもありましたけど、守備の選手が少し手薄なところが気掛かりだと思います。ドイツ国内でもキム・ミンジェに対する批判が出ていましたけど、ダヨ・ウパメカノとどれだけやれるかみたいなところでは難しさがあると思いますし、伊藤選手に早く戻ってきてほしいというのはチームとしてもあるように感じます。

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