ブンデスリーガデビューのチェイス・アンリ、開幕戦ゴールの堂安律 ドイツで躍動する日本人選手の現地詳報 (4ページ目)
【次節の注目カードはシュツットガルトvsマインツ】
次節は、やはりチェイス・アンリ選手と佐野海舟選手の日本人対決が実現するかが、ひとつの注目点です。昨年はシュツットガルトがシーズンダブルしているようなカードですし、昨年の成績を考えればシュツットガルトを相手に佐野選手を擁するマインツがどこまでやれるかという試合になると思います。
佐野選手は変わらずスタメンで起用されると思いますが、気になるのはチェイス選手が出場するかどうかですね。8月27日にシュツットガルトはDFBポカール(国内カップ戦)の試合がありましたが、そこに向けたコメントのなかでシュツットガルトのセバスティアン・ヘーネス監督はこう言っています。
「アンリをプレーさせます。彼のヘディングの強さが必要になるでしょう。多くの長いボールが来るはずで、そこが彼の強みであり、クオリティのあるところだ。彼の周りにいい骨組みが必要で、彼が楽にプレーできるようにしなければならない」
この話を聞いてもわかるとおり、先発で起用されるだろうなと思っていましたが、結果、先発フル出場で5対0の勝利に貢献しました。この試合でアンリ選手がどういうプレーを見せるかで週末の出場機会に関わってくるのかなと思っていたので、マインツ戦でもスタートから出られる可能性もあるでしょう。
もう一つ監督はこんなコメントもしていました。
「プレーではとくに初めのうちはゲームの速さに慣れるのに苦労していたが、今ではサッカーの面でも十分なレベルに達している。彼の核になる能力は守備にあり、ヘディングと対人プレーが強みだ」
十分なレベルに達しているということは、あとは実戦でどれだけのパフォーマンスを出せるかみたいなところになると思います。
佐野選手のところでも書きましたが、彼は前にどんどん出ていってプレーしようと思っているところなので、ふたりがマッチアップする場面はありそうだなと。そういう意味でも本当に注目の試合になります。どちらもブンデスリーガデビューを飾ったばかりなので、2試合目同士でどんな対戦になるか楽しみですね。
チェイス選手としては、今年のシュツットガルトがカップ戦を含め試合数が相当多い点を考えると、ケガ人が戻ってくるまでに自分の評価を高めることができれば、本当に出場機会が増えると思います。その点でも彼のプレーからは目が離せないです。
著者プロフィール
林遼平 (はやし・りょうへい)
1987年生まれ。埼玉県出身。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることに。帰国後、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして各社スポーツ媒体などに寄稿している。2023年5月からドイツ生活を開始。
【写真】欧州サッカートップスターの美しきパートナーたち
4 / 4