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ユーロ2024で注目を集める「U-21」の次世代スター5人 大会後に主役の座に立つのは誰だ (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【2003年生まれはスター候補ぞろい】

 一方、開催地ドイツで輝きを放っているのは、21歳のジャマル・ムシアラだ。2003年2月生まれの彼はイングランドで育ち、ベリンガムとは世代別代表でチームメイトの幼な馴染み。親友と呼べる間柄で、ベリンガムが熱心にイングランド代表で戦おうと誘っていたほどだ。

 それでも、バイエルン移籍後に17歳だったムシアラは、自らの判断でドイツ代表を選択した。そんな背景もあり、ドイツのファンはムシアラをことさらに愛しているのかもしれない。

 ムシアラは繊細で柔らかなボールタッチでエリアに侵入してゴールを狙う、ドイツには少ないタイプだ。これまでは最後に決めきれず物足りなさの残る印象もあったが、今大会では現在3ゴールで得点ランク1位タイ。いまやドイツの得点源として機能し、得点王も狙える位置につけている。

 ドイツを率いるユリアン・ナーゲルスマン監督との相性もよさそうだ。「自由と信頼を与えてくれるから本能でプレーできる」と信頼を寄せている。今大会中にもうひとつ、次なるステップをのぼることができるか注目したい。

 もうひとりドイツ代表で注目を集めている選手と言えば、ムシアラと同じ21歳で2003年5月生まれのフロリアン・ビルツだ。17歳でレバークーゼンからブンデスリーガデビューした彼は、2021年3月に18歳で初めて代表入りも果たし、その年に行なわれた前回大会のユーロのメンバーに選ばれるかもしれないと話題になった。

 だが、最終的には負傷もあってメンバー外となり、同年に行なわれたU-21ユーロに回ることになった。この時にビルツを慰めたのが、同じレバークーゼンの先輩カイ・ハヴァーツ(現アーセナル)で「まだ若く、学ぶことはたくさんある。焦るな」と言ったという。その結果、ビルツはじっくりと力を蓄え、昨季は32試合11得点とレバークーゼンの主軸にまで成長した。

 ただ、今大会のビルツは苦戦している。グループステージ3試合には先発したものの、決勝トーナメント1回戦のデンマーク戦ではベンチスタートとなった。

 ビルツの武器は、相手選手の間でボールを受けるポジショニングのよさと、ミドルレンジのシュートやパスを繰り出すことのできる力強さ。だが、その魅力をまだ発揮できていない。

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