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ユーロ2024ポルトガル対フランス ロナウド頼み、エムバペ依存は通用するのか (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 しかし、テュラムには、相手ボール時、エムバペとポジションを入れ替え左に回り、相手サイドバックを牽制する影武者的な役目が課せられている。このエムバペの守備への負担を軽減しようとする狙いに、37歳のジルーは適さない。先のベルギー戦で行なわれた唯一のメンバー交代が、テュラムと非ポスト系の半ウインガー、コロ・ムアニの入れ替えだったことにそれは示される。

 エムバペで勝つ。試合内容より大会一のスター選手、エムバペの個人能力にかけたサッカーに見える。しかし、4試合で奪った得点はわずか3だ。

 ポルトガル対フランスはつまり、1トップに少なからず難を抱えたチーム同士の対戦と言える。この一戦を経て、問題は解決するかにも目を凝らしたい。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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