ユーロ2024屈指の好カード カギはヤマル擁するスペインの「右」対イタリアの「左」 (4ページ目)
先述のとおり、イタリアは左のサイドアタッカーはひとりしかいない。そこはヤマルと彼を下支えするカルバハル対ディマルコの関係になる。もちろん、相手ボールに転じれば、ペレグリーニも左サイドのカバーに入るが、ヤマルは速い。その体制に持ち込む前に数的不利を招き、後手を踏む可能性がある。アルバニア戦と同じ戦い方で臨めば、危ない。スパレッティ監督のヤマル対策には注目せずにはいられない。
スペインは左のニコ・ウィリアムズも速い。スペインの魅力になっているが、こちらのサイドには、イタリアもキエーザという切り札を持つ。サイドを制すものは試合を制す。スペイン対イタリアは、この"格言"が試合展開に大きくかかわりそうな一戦になるだろう。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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