斉藤光毅の代名詞「1対1の仕掛け」はオランダで進化 ケガ復帰後の課題は「高強度で90分間走りきる」 (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【リハビリ期間はメンタルがきつかった】

── ウイングや左サイドではなく、今でもフォワードとしてプレーしたいというコメントを見たことがあります。

「本当はフォワードの選手なので、フォワードをやりたい気持ちは正直あります。でも、フォワードと同じくらいの感覚をウィングでも持てるように慣れたいとずっと思っていて、今季はスパルタでウィングにも定着できたので、いい流れはできていると思います。ただ今後、チームが変わった時にどうなるかは楽しみでもありますけど」

── そのような勝負のシーズンに、ケガによる長期離脱は大変でしたね。

「手術自体が初めてだったので大変でした。それも手術はオランダでなく、負傷後にまずはマンチェスターに行き、それからロンドンに移動して手術して、術後は痛いままタクシーに乗ってマンチェスターに戻ってホテル生活。本当につらかったです」

── 聞くだけで大変そうです。

「(レンタル元のロンメルはマンチェスター・シティの)シティグループなので、すごくいい環境でしたが、知らない環境にひとり放り込まれてリハビリするのは難しかったです。

 メンタルは、かなりきつかったです(苦笑)。復帰後は活躍しなきゃいけなかったので、そこのモチベーションやメンタルの持ちようは腐らずにできたんじゃないかなと思います」

── ロンメルでもスパルタでもなく、シティでリハビリしたのですね。

「そうです。僕みたいなシティグループのチームにいる選手が何人もリハビリしていました。みんなリハビリ中に知らない環境にきてピリピリしているなと思っていたら、自分も次第にそうなってしまいました(笑)。

 マンチェスターでは、長谷川唯さんにも会いましたよ。別のチームなのに、不思議な感じでした。いい経験になったとは思いますが、リハビリのために行くのは2度としたくはないですね」

── 今、フィジカル的な部分で取り組んでいることは?

「ハムストリングの手術もしたので、シティでやっていたことを継続してスパルタでも取り組んでいます。スパルタには相良浩平さんという日本人のフィジカルコーチがいて、気になったことを全部、伝えてくれるんです。

 僕だったら、たとえば90分間でどれくらい走っているかとか、そのハイインテンシティのなかでの心拍数とか。僕はけっこう数値が高いらしく、それをどうすればさらによくなるか相談したりしています」

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