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久保建英の今季「通信簿」レアル・ソシエダ番記者の評価は「良」パリ五輪不参加にも言及 (4ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【久保の将来はラ・レアルにあり】

 多くのオペレーションや交渉を控えている今夏は、ラ・レアルにとって長く複雑なものとなるだろう。スポーツ・ディレクターを務めるロベルト・オラベはスター選手を残留させ、適切な契約を結ぶための仕事に取り組むことになる。

 しかし久保は今夏、チーム内で不安を煽る選手になることはないはずだ。彼はドノスティアで自分の居場所を見つけている。この街の雰囲気や社会にうまく溶け込み、サポーターの大のお気に入りとなっており、イマノルという自身のキャリアにおいて重要な監督もいる。

 久保はイマノルが自分の能力を最大限に引き出してくれる指揮官であることをわかっており、大きな信頼を寄せている。さらに彼はピッチ外でも、親友のベニャト・トゥリエンテスをはじめ、チームメイトととても仲がよく、快適に過ごせているのだ。

 ほかの選手たちは、より小さなクラブに期限付き移籍したり、より大きなクラブに買われたりするだろうが、久保はラ・レアルに残るだろう。それは間違いない。

 今年2月に契約が2029年まで延長されたのは、クラブと久保の双方が長く実りある関係が続くと信じているためだ。さらにラ・レアルが来シーズン再び欧州カップ戦に参加する権利を得たことは、残留へのあと押しとなっている。

 その若さにもかかわらず、波瀾万丈なキャリアを経てきた久保は、安定と自信を必要としている。今夏開催されるパリオリンピックは不参加の予定だ。これにより、彼は最高のコンディションでラ・レアルでの新シーズンをスタートできるし、さらに今夏、代表チームでビッグトーナメントを戦うライバルたちよりもいい状態で臨めるだろう。

 このことで、イマノルは微笑み、サポーターも微笑み、久保も微笑むことができる――。
(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)

著者プロフィール

  • 高橋智行

    高橋智行 (たかはし・ともゆき)

    茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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