マンチェスター・シティが優勝候補筆頭 CL準々決勝以降の展開を識者3人が予想 (3ページ目)
【ビルドアップの軸、攻撃の切り札の有無で見ると...】
西部謙司(サッカーライター)
◎本命=マンチェスター・シティ
〇対抗=アーセナル
△穴=アトレティコ・マドリード
8強ともなると実力伯仲。逆に言えば、図抜けて強いチームもない。ここにレバークーゼンとリバプールがいればより混沌となったが、今季はCLにはいないのでシティを本命とした。
準々決勝で対戦するレアル・マドリードは難敵だが、ここを勝ち抜ければチャンスは大きいのではないか。大黒柱のMFロドリが健在、MFフィル・フォーデンの成長、DF陣の充実と穴がない。
対抗はアーセナル。かつてグアルディオラ監督のアシスタントコーチだった、ミケル・アルテタ監督が率いていて、互いに手の内を知り抜いている。センターフォワードにやや不安はあるものの、勢いに乗れば面白い。FWブカヨ・サカ、FWガブリエウ・マルティネッリ、MFマルティン・ウーデゴールのコンビネーションがいい。初優勝はハードルが高そうだが、狙うなら今季だ。
穴はアトレティコ・マドリード。ここ数年で攻撃力は増し、看板の堅守も残していて一発勝負で力を発揮しそう。準々決勝は比較的与しやすいドルトムントと、くじ運もいい。攻撃型のチームばかりが残っているなかで、守備的な戦い方でも力を発揮できるのはアドバンテージになるかもしれない。
試合序盤の焦点になるハイプレスvsビルドアップの構図において、ビルドアップの軸になれる選手がいるかどうかはポイント。ハイプレスが整理されたことで、可変だけではビルドアップ側の優位性はないからだ。
その点で、ロドリのいるシティ、MFデクラン・ライスがいるアーセナルは安定感がある。アトレティコはDF陣のパスワークがよく、可変なしでハイプレスを外せる技術を持っている。
この点で、パリ・サンジェルマン、バイエルンのビルドアップは怪しく、ドルトムントは相当苦しい。MFトニ・クロースやMFエドゥアルド・カマビンガのいるレアル・マドリーに問題はないが、相手がシティなので展開は劣勢になりそう。
プレスの強度が落ちてくる60~70分以降は、攻撃の切り札の有無が問われる。FWアーリング・ハーランド(シティ)、FWハリー・ケイン(バイエルン)、FWキリアン・エムバペ(パリSG)、FWロベルト・レバンドフスキ(バルセロナ)がトップ4だが、このなかでも総合力ではシティが有利と見る。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
西部謙司 (にしべ・けんじ)
1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。
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