マンチェスター・シティが優勝候補筆頭 CL準々決勝以降の展開を識者3人が予想 (2ページ目)
【準々決勝に事実上の決勝戦がある】
中山 淳(サッカージャーナリスト)
◎本命=マンチェスター・シティ
〇対抗=レアル・マドリード
△穴=パリ・サンジェルマン
準々決勝で激突するマンチェスター・シティとレアル・マドリードの優勝候補対決が、事実上の決勝戦と言っても過言ではないだろう。
とりわけディフェンディングチャンピオンのシティは、グループステージから無傷の8連勝中。確かに対戦相手に恵まれた部分は否定できないが、内容的にも申し分のない戦いぶりで、総合力でマドリーを上回る印象だ。
エースのFWアーリング・ハーランドも、昨シーズンほどではないまでも、ここまで6ゴールを量産。途中からピッチに登場する選手も豊富かつハイレベルで、2連覇の可能性は十分にある。
ただ、その前に立ちはだかるのが、百戦錬磨のカルロ・アンチェロッティ監督が率いる難敵マドリーだ。主力に故障者が続出している今シーズンだが、指揮官の巧みな選手起用と采配で、ここまで公式戦2敗という驚異的な強さ。
守護神ティボー・クルトワやDFダビド・アラバの不在は痛いが、DFエデル・ミリトンの復帰など、ラストスパートに向けた準備は整いつつある。キーマンのMFジュード・ベリンガムがシティ戦でも勝負強さを発揮すれば、タイトル奪還が視界に入るはずだ。
ダークホースは、まだCLの優勝経験がないパリ・サンジェルマンと見る。グループステージでは不安定さを露呈したものの、ラウンド16のレアル・ソシエダ戦ではFWウスマン・デンベレを中央でフリーマンにする新戦術を披露。その後の国内リーグ戦でもその戦術をブラッシュアップしており、例年になく、個の力に頼らず、チーム戦術で勝つ術を身につけつつある。
大黒柱のキリアン・エムバペが今シーズン限りで退団することが確定しているだけに、それが"メイク・ミラクル"の起爆剤となる可能性もあるだろう。
準々決勝のバルセロナ戦を乗り越えることができれば、準決勝で対戦するのはアトレティコ・マドリードとドルトムントの勝者。決して勝てない相手ではなく、現段階でも4シーズンぶりの決勝進出は現実的な目標と言っていい。
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