旗手怜央が日本代表で刺激を受けたふたりのボランチ 遠藤航と守田英正の「異なる特徴と個性」とは? (3ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【イラク戦で途中出場】

 大会初戦となるグループステージ第1節のベトナム戦は、出場機会はなかったが、それがまた自分の闘志に火をつけた。世代別代表でも、大会が開幕した時にはベンチスタートだったことも多く、そこから巻き返してチャンスを得た経験や過程が生きていた。

 だから、第2節のイラク戦で0-2の劣勢に立たされた時から、「早く試合に出たい」と思っていた。特に後半に入ってから、日本代表はボールを持てる時間が長くなり、自分の特徴を生かせる状況にある、自分なら違うアクセントになると感じていた。

 先発で試合に出ている選手も途中出場する選手も、みんなが同じ思いだろう。誰かのプレーが悪いとか、誰かが劣っているというのではなく、自分ならこうできる、自分だったらこうもできると思いながら、試合に臨んでいるし、見ているはずだ。

 だから、イラク戦の時も、叶うことなら誰かを代えずに、11人にプラスして自分を出場させてほしいと思ったくらいだ。もちろん、ルール上、それが無理なのはわかっているけど......。

 実際、イラク戦では74分に守田くんと交代してピッチに入ったが、チームが勝つために、ゴールでも、アシストでも、何でもいいからチームが勝つためのプレーをしたいという思いしかなかった。

 結果的に1-2でイラクに敗れ、チームを勝利に導くことはできなかった。それでもコーナーキックから航くんのゴールをアシストできて、自分自身のプレーに余裕が生まれた。

 その一方で、チームを勝たせられなかった事実に、自分の力のなさも実感した。こうした厳しい状況で、1ゴール1アシストを達成できるくらいの強さがなければ、チームに貢献したとは言えない、悔しさを覚えた。

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