愛されキャラ・三戸舜介がホームシック? 「だんだん悪い方向にいっちゃって...メンタルを強くしないと」 (2ページ目)

  • 中田 徹●取材・文 text by Nakata Toru

【元オランダ代表のファンタジスタも大絶賛】

 それでもユルン・ライスダイク監督は、ためらうことなく三戸を先発に抜擢する。すると"21歳のサムライ"は33分、右45度から右足を振り抜き先制弾をネットに沈め、指揮官の期待に応えた。

 前半だけで終わった三戸のオランダ・デビューマッチ。しかし、彼のゴール、ドリブル、積極的にシュートを撃つ姿勢はインパクトを残し、実に4つのメディアの週間ベスト・イレブンに『Shunsuke Mito』の名があった。

 オランダの公共放送局NOSのサッカートーク番組『ストゥディオ・フットボール』では、かつてファンタジスタとして活躍したラファエル・ファン・デル・ファールトが三戸のプレーに対して唸った。

「日本人の選手はすばらしいテクニックがベースにある。信じられないほどだ。三戸はデビューマッチで即座にゴールを決めた。彼ら(三戸と斉藤)は両利き。とてもユニークだ」

 1月下旬にチームに復帰した斉藤とは、世代別日本代表で一緒にプレーしてきた仲ということもあり、息のあったコンビネーションを披露。とりわけ、斉藤の受け持つ左サイドに三戸が寄っていった時の"阿吽の呼吸"は秀逸だ。

 2月11日のフェイエノールト戦(0-2)は、スパルタが専守防衛システムを採用したこともあり、三戸が攻撃面で光ることはなかった。だが、4万7500人の観衆が熱狂するなか、三戸は「フェイエノールトのスタジアムはすごかった。一気に『ワアー』ってなる。普通にプレーしているだけでも鳥肌が立ちました。初めての経験でした」と得難い体験を積んだ。

 2月17日のエクセルシオール戦(4-2)で三戸は控えに回り、連続先発出場は5試合で途切れた。

「三戸は疲労が溜まって、足がパンパンなんです。彼はオフからチームに合流し、万全のコンディションではないなか、プレーし続けているのだから、疲れるのも当然です」(ライスダイク監督)

 この試合の三戸は66分からピッチに入ると、ファーストプレーで敵のマークをターンでかわし、カウンターの"トリガー"になった。ボールロストしたら即座に失点という危険なエリアでの大胆な突破に、斉藤は「あそこでターンできるのはすごい」と唸った。三戸は「あのプレーができたので、交代出場でも試合の波に乗ることができました」と手応えを掴んだ。

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