三笘薫の精神の安定ぶりはどこからきているのか 同点弾を生んだフルタイム出場 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 三笘は「あっち向いてホイ」とばかり、マジックを発揮。ハリソンの逆を完璧に取り、縦に進出した。先発した左ウイングが、後半39分に繰り出すフェイントにしてはあまりにもいい切れ味だった。右SBヤングがカバーリングに入ったが、間合いを詰めきれず、三笘に折り返しを許す。

 その左足から放たれたマイナス気味の弾道が、ヤングの身体に当たりコースを変えると、次の瞬間、ゴールネットが揺れていた。記録はオウンゴール。しかし実質的には三笘のゴールと言えた。

 途中でベンチに下げるべきでない。最後まで使ったほうがむしろ三笘らしさは発揮される。エバートン戦は、三笘が自らのペースを持続させることに誰よりも長けた選手であることを証明した試合。それがエバートン戦の感想である。その精神の安定ぶりはどこからきているのか。日本人の目にもミステリアスに映る新種の左ウイング。興味は尽きない。

久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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