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久保建英の活躍を支えるレアル・ソシエダの「久保システム」 グアルディオラもやっていた相手を欺く戦術 (3ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●文 Unai Valverde Ricón

【チームメイトのサポート】

 しかし、この活躍にはチームメイトの存在も欠かせない。久保は主にオヤルサバル、バレネチェア、ブライス・メンデス、ミケル・メリーノ、スビメンディのサポートを受けて、より良いパフォーマンスを発揮できている。

 オヤルサバルは本来クラシックな左ウイングであるにもかかわらずポジションを変え、スペイン代表と同じようにセンターフォワードとしてプレーする機会が増えている。得点の嗅覚に加え、誰よりもハードワークするため、例えば彼がハイプレッシャーのなかで奪ったボールを、久保が受けられるような状況が作り出されることもある。

 バレネチェアはチームのなかで、最も久保に近い特徴を持った選手だ。非常に高いクオリティーを備えており、相手と対峙する能力に優れ、足元にボールが吸いついたようなドリブルができるためスペースをあまり必要としてない。久保と同い年ということもあり、お互いを完璧に理解している。

 ブライス・メンデスは、シルバのようなマジシャンよりも久保に合っているかもしれない。久保同様に左利きのガリシア人MF(※ガリシア...スペイン北西部)は電光石火のドリブルで相手を釘づけにし、久保にスルーパスを供給することに長けている。

 このふたりのコンビネーションは、ファインセーブを連発しカウンターの起点にもなるGKアレックス・レミロの活躍とともに、今季のラ・レアルにとってポジティブなニュースだ。

 ミケル・メリーノとスビメンディはチームの大黒柱としてプレーのあらゆる面をコントロールし、中盤の名コンビを形成している。どんな相手にも対応できる崇高な足さばきと、デュエルに勝利できる優れた対人能力、無尽蔵に上下運動できる非常にパワフルな足腰を備えている。久保を含むチーム全体が、このふたりの能力を存分に享受している。

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