久保建英、コンビネーションでハードワークを撃破 冷遇された古巣の監督を見返す (3ページ目)
久保はラ・レアルでプレーし、アギーレ率いるマジョルカを下し、自らのサッカーをも正当化したのだ。
何より、ラ・レアルの選手たちは久保を信頼していた。どこで久保にパスを預け、ボールを持ったらどう動くべきか。ブライスを筆頭に、出色のコンビネーションだった。
「タケは交代出場で試合の流れを変えた。たった4分間で試合を決めてしまった」(スペイン大手スポーツ紙『マルカ』)
「タケの途中出場が決定的だった。ブライスへのアシストは至高の逸品」(スペイン大手スポーツ紙『アス』)
「Diferenciador (異彩を放つ者)」(スペイン大手スポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ』)
各紙とも勝利につながるクロスを絶賛した。
それは、効率的な一撃でもあった。ベストプレーが望めないなか、一発に懸けていたのか。それで一発回答することに、彼のすごみがある。そのインパクトで、ゲームMVPも獲得した(何度もピンチを救ったGKレミーロも十分MVPに値した)。
「チャンピオンズリーグ(CL)も思った以上にタフ。負けられない試合が続くので、コンディションに折り合いをつけながら......」
久保はスペインに戻る前に語っていたが、敵地でのCLベンフィカ戦は今後のキャリアまでも左右する一戦となる。グループリーグ首位に立つポルトガル王者は強敵で、戦力的には実力伯仲。ベスト16に向け、前半戦の山場となる。
大舞台、久保は再び脚光を浴びるか。
久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。
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