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三笘薫のドリブルがレベルアップ 欧州王者マンチェスター・シティ相手に実力を証明 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by COLORSPORT/AFLO

【後半は両軍ナンバーワンの出来】

 三笘の活躍とそれは密接に関係した。後半3分、4分と目を惹くドリブルを見せると、ブライトンはチームとしての自信が深まったのか、そのパスワークは一段と滑らかになった。

 後半18分、三笘はイングランド人GKジェイソン・スティールのパスを自軍の深い位置で受けると、ピッチの中央を切り裂くようにドリブル。30メートル強の縦突破を決めると、抜かれたマヌエル・アカンジ(スイス代表)は腕を引っ張る反則で止めるしかなかった。毎度のことながら、三笘は前半より後半のほうが活躍する。後半になって勢いが落ちたドクとは対照的だった。

 後半24分には決定的なチャンスが到来した。アンス・ファティ(スペイン代表)のパスを受けるやGKステファン・オルテガと1対1になる。ここは決めたいシーンだったが、シュートは無情にもGKを直撃した。

 ハイライトは後半28分に訪れた。アンス・ファティからパスを受けると、対峙する右SBカイル・ウォーカー(イングランド代表)を軽やかなフェイントで手玉に取ると、縦に進出。そのマイナスの折り返しはアカンジに引っかけられたものの、そのこぼれをアンス・ファティが押し込み、1点差とするゴールをお膳立てした。舞台の主役は気がつけばドクから三笘に入れ替わっていた。

 ブライトンペースは最後まで続いた。スコアは2-1のまま動かなかったが、ブライトンにとっては今後に希望が持てる、悪くない終わり方だった。三笘にとってはマンチェスター・シティの一員としても十分通用することを証明した試合と言える。採点するならば7弱。後半だけなら両軍のなかでナンバーワンの出来映えだった。

 そのドリブル&フェイントは気がつけばワンランクレバルアップしていた。方向性、切れ味、ステップワーク、逆を取るタイミング等々、ドリブル&フェイントを構成する各要素のバランスが、より高い次元で整い、確実性が増したという印象である。

 今季9戦してフルタイム出場はこれが6回目。選手交代5人制の時代にあって、これまた驚くべき記録である。依然として右肩上がりが続く三笘。天井は見えていない。楽しみである。

久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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