久保建英を「神業の数々」と現地紙は絶賛 「うまい」選手から「怖い」選手へ (3ページ目)
【スポーツ紙では唯一の最高点】
「ユーリはずっと熱くなっていて、自分はそこに関わりたくなかったけど、2回も叩かれた。あそこで倒れていたらレッドカードだと思ったけど、(カードを要求するために)倒れなかった。でも、(ファウルだと)抗議はしたくて。相手のラウール・ガルシアには『削られても、リードしているんだから我慢しろよ』と言われて、まあ、自分が関わったのが間違いだったと思っているよ」
久保はそう振り返ったが、バスクの流儀を守ったということだ。バスクはスペインのなかでも、伝統的にフェアな精神が求められる土地だ。マリーシアという小細工は卑怯とされ、好かれない。通底しているのは、"男らしさ"のようなものであり、現代なら、不屈さ、と言い換えるべきか。歩けるなら黙々とプレーを続け、仲間とともに格闘し、最後は勝者の咆哮を上げる――。
久保はその渦の中心にいることをあらためて証明した。
「ベストゲームではなかったが、決定的な仕事をやってのけた」
スペイン大手スポーツ紙『アス』の寸評だが、両チームでトップの選手として唯一、最高点となる三ツ星を与えている。
「次のチャンピオンズリーグは火曜日、ザルツブルク戦の11人をまた考えないとね」
イマノル・アルグアシル監督はそう語り、すでに次の戦いへ目を向けていた。これだけのレベルの連戦は簡単ではない。コンディションの見極めが重要だ。
しかし、久保は外せないだろう。
「タケがいればラ・レアルは勝てる!」
ファンのそんな期待を双肩に担えるほど、神がかった存在になりつつある。
久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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