久保建英はソシエダ2年目でどう進化したのか 2戦連続MVPもチームが勝ちきれない理由 (3ページ目)
チーム全体で、昨シーズンのようには配線がつながっていないのだ。
「開幕したばかりで、選手の中には90分間戦える状態ではない者もいる」
アルグアシル監督が言うように、今は我慢の時だろう。
久保を中心にどこまで勝ち点を稼げるか。主力が復調し、ポルトガル代表FWアンドレ・シルバが戦列に戻ったら、陣容は整う。ロシア代表アルセン・ザハリャンとの契約も発表された。そのプレースタイルは日本代表の鎌田大地にも近く、トップ下の選手としてあらゆる才覚を備えるアタッカーだ。
久保は優れた選手と肌を合わせるたび、その集中力でさらなる進化を遂げる。そこにチームの熟成も追いついてくるはずで、悲観する必要はないだろう。
8月25日、ラ・レアルは敵地でラス・パルマスと戦う。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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