久保建英はソシエダ2年目でどう進化したのか 2戦連続MVPもチームが勝ちきれない理由 (2ページ目)
【ダビド・シルバ不在だけではない不振の理由】
「前半、久保は(左サイドバックの)マヌ・サンチェスを叩きのめした。ゴールをアシストするなど、まさに悪夢だった」
スペイン大手スポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ』は久保を高評価している。
もっとも、後半はチームのペースダウンに引きずられた。セルタが5バックに変更。ラ・レアルの攻撃を分断したのは確かだった。
昨シーズンまでのラ・レアルは、ダビド・シルバを中心に「相手より多く得点を取る」という姿勢を90分間、保つことができた。そのなかで久保も躍動していた。今シーズンはダビド・シルバのケガによる引退で、相手のダウンを奪いながらも、ノックアウトできずに一発を浴び、ドローに持ち込まれるという試合展開が続いている。
終盤、久保を下げて5バックに変更し、逃げきろうとした采配は、そのせいだろう。
「すばらしい前半だったが、後半はとても悪かった。ボールをたくさん失ってしまい、ストレスになっていた。追いつかれた形だが、もっと早く同点にされていてもおかしくなかった」
アルグアシル監督がそこまで認めるほど、後半は悪い流れだった。各紙が最高点をつけたGKアレックス・レミーロのファインセーブ連発がなかったら、負けていても不思議ではない。
苦戦の理由は、ダビド・シルバ不在だけではないだろう。
久保自身は成長を示し、昨シーズンよりもプラスアルファの攻撃力を見せている。しかし、コンビネーションに関しては足りない。ダビド・シルバは別格だったとしても、波長が合っていたアレクサンダー・セルロートが去り、同じ左利きのミケル・メリーノはケガで戦線を離れているのだ。
カルロス・フェルナンデスは万能FWだが、ゴールへの迫力が足りない。ウマル・サディクはケガ明けで、まだ周りと合わず、"眠った竜"のまま。ベニャト・トゥリエンテスは現時点ではまだ物足りない。負傷から復帰し、そろそろ"全開"のはずのミケル・オヤルサバル、モハメド・アリ・チョも不振。新加入のアマリ・トラオレはすでにポジティブな貢献をしているが、連係面では手探りだ。
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