ブッフォン「なぜエコノミー? 安いからさ」 現役を引退した「史上最高のGK」の素顔 (4ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ジジは考えることもなく即座に「SI(イエス)」と答えた。まさに彼にはぴったりの役職だ。彼の膨大な経験はチームの大いなる助けとなるだろう。特にW杯を2回逃がし、肌でその大会を知る選手が少なくなってきているイタリアにとっては重要となるだろう。

 ジジのアッズーリ入りは多くのイタリア人にとって朗報だった。今でも多くの国民にとってジジはイタリア代表と同義語だからだ。ただ、ジジ自身はいつもと変わらず謙虚だ。

「自分はチームを助けるためにここにいる。選手時代にいったいいくつタイトルを取ったかなどは関係ない。ただ仲間たちの役に立ち、力になりたいだけだ」

 彼は「選手たち」の力になりたいではなく「仲間たち」と言った。まるで今でも自分がチームの一員であるかのように。どうやら彼の心は今でもピーター・パンであり続けているようだ。

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