三笘薫とブライトンの今季を占う 飛び交う移籍情報のなかカギを握る選手とは (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by REX/AFLO

【出ていかれたら困るカイセド】

 その陣営のひとりとして注目を浴びているデ・ゼルビはイタリア人だ。イタリアのセリエAには守備を重視する監督が多く、ズデネク・ゼーマン(出身はチェコ)など例外的に攻撃的な監督が過去に何人か存在したが、歴史を振り返るとデ・ゼルビは希少な存在に見える。しかも現在まだ44歳だ。グアルディオラより8歳若い。

 今季開幕を前に、昨季まで所属したアレクシス・マック・アリスターがチームを去った。4200万ユーロ(約67億円)でリバプールに引き抜かれていった。リバプールはさらにモイセス・カイセドにも食指を伸ばしており、移籍は近いと言われている。三笘も例外ではない。マンチェスター・シティがほしがっているという情報がしきりに飛び交っている。

 実際、グアルディオラは国立競技場で行なわれたプレシーズンマッチの横浜F・マリノス戦(7月23日)後の会見で、あえてその試合に関係のない三笘のプレーに触れ、讃えていた。

 三笘もさることながら、昨季マック・アリスターとともにブライトンの中盤を支えたカイセドがチームを離れれば、戦力ダウンは必至だ。マック・アリスターはカタールW杯を制したアルゼンチンの中心選手。世界的に高い知名度を誇るが、それに比べ、同W杯のグループリーグで消えたエクアドル代表のMFは、知名度で落ちる。

 しかし、どちらに出ていかれたら困るかと言えば、カイセドになる。まさにチームのヘソとして、昨季は圧倒的な存在感を発揮した。

 現在までに、マック・アリスター以外でチームを去ることが決まった選手は、GKロベルト・サンチェス(→チェルシー、スペイン代表)、DFレヴィ・コルウィル(→チェルシー、イングランドU-21代表)、FWジェレミー・サルミエント(ウェスト・ブロムウィッチ、エクアドル代表)、FWデニス・ウンダフ(→シュツットガルト)らになる。

 一方、加入する主な選手はMFジェイムズ・ミルナー(←リバプール、元イングランド代表)、MF兼FWモハメド・クドゥス(←アヤックス、ガーナ代表)、FWジョアン・ペドロ(←ワトフォード)、DFイゴール(←フィオレンティーナ)、MFマフムート・ダフード(←ドルトムント、元ドイツ代表)らとなる。

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