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パリ五輪世代の秘密兵器 FW二田理央がオーストリアで飛躍「得点王になりたい」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text&photo by Asada Masaki

 なので、守備でのハードワークとか、試合の流れを変えるとか、自分的にできることはやった感は結構あります。もちろん、もっと点を決められたシーンもありましたけど、全体としては悪くなかったし、やれる手応えはつかめました」

――結局、昨季のザンクト・ペルテンは3位に終わり、1部昇格を逃しました。

「途中出場であってもチームに勢いを与えて、勝ちに持っていかないといけなかった試合もあったので、クラブを1部に上げられなかった悔しさは、もちろんあります。でも、このチームは若い選手が多くて、常に監督とかも『顔を上げろ!』『おまえらはまだまだこれからなんだぞ!』って言葉をかけてくれていたので、最後まで落ち込んだりすることなく、前向きな雰囲気でやることができました」

――二田選手自身も1部でプレーしたかったのではないですか。

「1部に上がって、そこがどんなレベルなのかを身をもって感じてみたかったという気持ちは確かにあります。でも、昨季は2部でも途中出場が多かったなかで、今季1部昇格となると、いきなりグッとレベルも上がる。

 だったら、まずはこの1年、2部でしっかりと試合に出て、それから1部に上がっても全然いいというか、むしろそのほうが1部で試合に出た時にやれるんじゃないかっていう話を、(ザンクト・ペルテンのテクニカルディレクターである)モラス(雅輝)さんとはしています。だから今は、今季こそ2部でしっかり活躍して、絶対に1部に上がろうっていう気持ちになっています」

――LASKリンツで活躍した中村敬斗選手が日本代表に選ばれたことで、オーストリアリーグも注目度が上がってきたように感じます。

「敬斗くんの試合は一回見に行かせてもらって、『スゴいな。自分もこういうところでやりたいな』って思いましたし、結果を残せばステップアップできるっていうことも証明してくれていると思うので、やっぱり意識するところはありますね」

――前回(2021年12月)の取材の時、ドイツ語のレッスンを受けていると聞きました。その後の習熟度はどうですか。

「今はもうレッスンは受けていないのですが、チームは他に日本人選手もいないですし、もうドイツ語で話すしかないので、日常会話はだいぶできるようになってきました」

――ザンクト・ペルテンはかなりの多国籍チームですが、共通言語はドイツ語ですか。

「ミーティングは英語でやりますね。でも、自分は本当に勉強が苦手で、英語とドイツ語を一緒に勉強するような器用さは持っていないので(苦笑)。英語も話せるようになりたいんですけど、まずはドイツ語。今は英語よりドイツ語のほうが話せると思います」

――この夏、鳥栖からザンクト・ペルテンへの完全移籍が決まりました。以前、「鳥栖のトップチームでプレーするのも夢」だという話をしていましたが、迷いはありませんでしたか。

「自分はユースから鳥栖で育って、駅前不動産スタジアムで試合に出ることをずっと夢見てやってきたので、それを果たせずに(ザンクト・ペルテンへ)行っちゃうのはどうなのか、っていう気持ちはありました。

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