三笘薫、久保建英、鎌田大地...識者が選ぶ「今季、欧州で最も活躍した日本人選手は誰だ?」 (2ページ目)

  • text by Sugiyama Shigeki、Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu KAWAMORI/MUTSUFOTOGRAFIA

【点取り屋の地位を築いた古橋亨梧】

3位 古橋亨梧(セルティック)

 UEFAランク9位のスコットランドリーグのレベルをどう見るかだが、セルティックはプレミアリーグに入れば有力な降格候補だろう。チャンピオンシップ(2部)ならば優勝候補かもしれないが、ブンデスリーガでいえば中位から下位だ。それでもCLに出場できるところに、セルティックに所属するうま味がある。

古橋はそこで27ゴールを挙げた。点取り屋としての地位を築いた。ベルギーリーグ(UEFAランク8位)の7位チーム(セルクル・ブルージュ)で22点を奪った上田との比較でも、勝ると考えるのが自然だろう。

2位 久保建英(レアル・ソシエダ)

 カタールW杯を挟んで一皮剥けた。少年らしさが消え、逞しくなった。プレーの遂行能力が上昇したと言うべきか。レアル・マドリード所属のローン契約選手から、レアル・ソシエダに完全移籍した今季、初めの頃と終盤とで印象がいい意味で大きく変わった。

 チームのスペインリーグ4位という結果に貢献。来季はいよいよCLデビューである。22歳になったばかりだ。三笘薫より4学年年下ということで、市場価値で上回る可能性がある。直進性、推進力、得点力、フェイントの切れ味がもう一歩増すことが、ビッグクラブでプレーする条件になる。

1位 三笘薫(ブライトン)

 今季活躍した欧州組上位5人を独自に選ぼうとしたとき、プライオリティを与えたくなるのはCL、EL出場組だ。とりわけCL出場回数は、選手のステイタスを推し量るうえで、重要なデータになる。にもかかわらず、出場機会が国内リーグに限られた三笘を1番手に推す理由は、プレミアのレベルとブライトンの成績を勘案した結果だ。

 驚くべきは出場時間で、カタールW杯直前にスタメンの座を掴むと、以降24試合中16試合でフルタイム出場を果たした。交代枠5人制下の左ウイングで、ここまでの選手は珍しい。効いている証だ。

シメオネも警戒した久保建英
小宮良之

5位 上田綺世(セルクル・ブルージュ)

 ベルギーリーグには他に何人も日本人選手がいるが、22得点という突出した成績を残し、チームをプレーオフまで導いている。動き出しのよさ、マークの外し方はもともとの持ち味だが、そこにボールを呼び込めるようになり、後半戦はゴールラッシュとなった。

 日本人離れした体格の強さで、ぶつかり合いながらゴール前に入り、空中戦でも強さを見せられる。今や止められない存在で、有力クラブが食指を動かすのは当然と言える。フライブルクの堂安律、セルティックの古橋亨梧、旗手怜央とも迷ったが、1年で3倍以上になったと言われる市場価値の高騰が飛躍の証だ。

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