三笘薫対マンチェスター・シティの右SBカイル・ウォーカー 引いた目で見た勝者はどちらか? (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Colorsport/AFLO

 引いた目で見れば、三笘はワンビサカに勝っていた。チームの役に立っていた。その理屈はこのマンチェスター・シティ戦にも当てはまる。ウォーカーを縦に抜き去るシーンはなかったが、ウォーカーのもうひとつの魅力を削ぐことには成功した。

 トータルの活躍度で勝ったのは三笘かウォーカーか。効いていたのはどちらか。ロベルト・デツェルビ監督はこの日も三笘をフル出場させた。先発したアタッカー4人のなかでただひとり、だ。三笘がまさに効いている、外せない選手であるからだ。エストゥピニャンと三笘がコンビを組むブライトンの左サイドは、ある意味でチームの生命線になっている。攻められる可能性が低い場所とデツェルビ監督は認識しているに違いない。三笘の縦を狙う姿勢は守備面でも効果を発揮しているのだ。

 この試合、ボール支配率こそ39.5%(ブライトン)対60.5%(マンチェスター・シティ)と開いたが、試合内容は48対52程度の関係で、1-1は至極、順当なスコアに見えた。その陰に相手の右サイドの攻撃を半減させた三笘の存在あり、と言っても言いすぎではないだろう。

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プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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