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CLミラノダービーでインテルが勝利 左クロスから中央を鮮やかに抜けたゴールシーンはなぜつくれたか (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer 
ラウタロ・マルティネスがスルーし、走り込んだムヒタリアンが中央を突破してシュート

 インテルがカウンターからミランの守備を見事に破ったシーンである。まずはL・マルティネスとジェコの動きに注目したい。

L・マルティネスがボールを触ると見せてスルー。あとから走り込んだムヒタリアンが受けて突破し、ゴールを決めたL・マルティネスがボールを触ると見せてスルー。あとから走り込んだムヒタリアンが受けて突破し、ゴールを決めたこの記事に関連する写真を見る ディマルコがルックアップするタイミングで、最前線のジェコはフィカヨ・トモリを引き連れながらニアサイドにダイアゴナルラン。

 その動きを見ていたL・マルティネスはやや手前に残り、ジェコが作った中央のスペースが使える位置にポジションを取っていた。

 そして、ディマルコからクロスが入る次のシーンでの選択が秀逸だった。ややマイナス気味になったクロスに対して、L・マルティネスは戻りながら反応。この時、後方から走り込むムヒタリアンを確認した。

 すると、L・マルティネスはギリギリまでボールを呼び込んで、スルー。ムヒタリアンがワンタッチで前へ運び、シモン・ケアーを置き去りした。中央はトモリがジェコに釣り出されていたため、大きく空いていた。

 中央のスペースに勢いを持って進入したムヒタリアンは、GKマイク・メニャンとの1対1を冷静に決めて、2-0となった。

 ジェコのスペースメイク、ムヒタリアンの走り込みとフィニッシュワークはもちろんだが、ややマイナス気味のクロスになった時、自分よりいい形でムヒタリアンが入ってきたとわかった瞬間に、ケアーを引きつけながらスルーの選択をしたL・マルティネスの判断力も見事だった。

 第1戦を完封勝利で飾ったインテル。次週の第2戦で宿敵を下し、13シーズンぶりの決勝進出となるか、注目である。

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(インテルの2点目のシーンは、0分26秒~38秒)

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著者プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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