ミラン&インテル、ヨーロッパの舞台から消える屈辱からの復活。CL準決勝で熱いダービーが帰ってきた (4ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

【チケットは45万円に高騰】

 ダービーのゴール裏のパフォーマンスは圧巻だ。ピッチ上のクオリティが低かった時代も、それを補うかのように、スタンドがエネルギーと色彩を見せていた。それが今回はCLとあって、準々決勝から両者のパフォーマンスはすばらしかった。インテルがベンフィカ戦でゴール裏の1階から3階までを巻き込むような巨大な横断幕を広げれば、ミランはナポリ戦で4面全てを使っての応援を展開した。

 今回のダービーはいったいどんなすごい演出を用意してくれているのか、今から楽しみである。

 久々の熱い戦いを見ようと、今回の準決勝では多くの人々がチケットを求めた。5月10日(現地時間)のミラン対インテル戦では7万4000枚のチケットが売り出されたが、オンラインは早々とパンク。数日前からカーサミラン(ミランの本部)に購入希望者の列ができ、1試合で1000万ユーロ(約15億円)という記録的な売り上げとなった。だが、インテルが2戦目のチケットをさらに高い価格で売り出したためこの最高記録はすぐに塗り替えられた。

 イタリアではチケットを高値で転売することは法律で禁止されているのだが、転売サイトはスイスに会社登記されているので、取り締まることができない。メインスタンド1階席の値段は3192ユーロ(約45万円)という、とんでもない値段で売りに出されている。

 イタリアでのCLの放映権は有料放送のスカイやアマゾンが持っていたが、今回は地上波でも放映されることになった。イタリアでは「国民的な関心度が高い試合」は、全国民が平等に見られるよう法律で決められているのだ。

 今シーズン、インテルとミランは5回、対戦することになる。1年間でこれほど対決するのは史上初である。ちなみにここまでの対戦結果はリーグ前半戦(9月3日)は3-2でミランの勝利。イタリアスーパーカップ(1月18日)は0-3でインテルの勝ち。直近のリーグ後半戦(2月5日)は1-0でインテル勝利と、インテルが勝ち越している。

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