ミラン&インテル、ヨーロッパの舞台から消える屈辱からの復活。CL準決勝で熱いダービーが帰ってきた (3ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

【通算成績ではインテル】

 最初のミラノダービーはインテル創立の1年後、1909年に1月に行なわれ、ミランが3-2で勝利した。以来、これまで公式戦で235回のダービーが行なわれている。ちなみに他の町のダービーの回数はトリノ206回、ローマ182回、ジェノバ160回となっている。これはミラノの2チームが常にそろって1部にいて、カップ戦でも勝ち残っていることが多いからだ。結果の内訳はインテル勝利が87回、ミラン勝利が79回、ドロー69回。ゴール数はミラン304、インテル325と、数字の上ではインテルがリードしている。

 ただし、CLの舞台に限るとその結果は違ってくる。両チームがこれまで対戦したのは4試合(1980年代までは各国1チームしかチャンピオンズカップ<現在のCL>に参加できなかったため、ダービーが行なわれることはなかった)。2002-2003の準決勝と2004-2005の準々決勝で、引き分けが2試合、ミランの勝利が2試合(うち1試合はインテリスタの投げた発煙筒がミランのGKに当たり、没収試合となってミランの勝利となった)。どちらの年もミランが勝ち進んでいる。

 たとえタイトルに絡んでいなくても、ダービーは常に重要な試合だ。仮に優勝したとしても、ダービーに勝たなければそのシーズンは完ぺきではない。その独特の雰囲気を、かつてインテルとミランの双方でプレーしたことのある元イタリア代表アルド・セレーナはこう表現している。

「ダービーでプレーすることは、ほかでは決して味わうことはない特別な興奮がある。もしこの試合でゴールを決めれば、サポーターは永遠にそのことを覚えてくれる。ずっと語り継いでくれる。ゴールを決めた時の感動は忘れられない。スタンドのサポーターが爆発させた喜びは、自分の喜びを映し出す鏡でもある。どのダービーも特別な伝説となり、同じものは決してないんだ」

 選手個人で見ると、ダービーへの出場回数が一番多いのはミランのパオロ・マルディーニで56回、次点がインテルのハビエル・サネッティの47回だ。ふたりは現在、両チームの幹部を務めている。ダービーでの最多ゴールは元ミランのウクライナ人FWアンドリー・シェフチェンコの14ゴール。その後にサン・シーロの正式名となるジュゼッペ・メアッツァの13ゴールが続く。現役選手ではズラタン・イブラヒモビッチの10ゴール(インテルで2ゴール、ミランで8ゴール)が最高記録だ。

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