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若き名将の解任、メディアに内情暴露、チームメイトを殴打...わずか1カ月で崩壊したバイエルンに何があった? (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

【セネガルの英雄が一転して...】

 ただ、これにノイアーは怒った。そして、クラブの許可を得ずにメディア2紙からの独占インタビューを受けた。

 ひとつは『南ドイツ新聞』。バイエルン州を中心に購読されている新聞で、日本で言えば朝日新聞に近い高級紙。もうひとつは『The Athletic』という英語メディア。ノイアーはインタビューで「僕にとって人生でもっとも残酷な仕打ちだった」という嘆きと怒りをぶちまけ、クラブやナーゲルスマンとの確執を自ら広めた。

 ノイアーには1カ月分の月給に相当する最大160万ユーロ(約2億4000円)もの罰金が課される可能性があるという。だが、それもいとわないほどの怒りだったのだろう。

 この騒動に対し、シャルケ時代に若きノイアーを起用したフェリックス・マガト(現ヘルタ・ベルリン監督)は「タパロビッチを増長させたクラブにも責任がある」とし「彼(ノイアー)が望むならバイエルンは彼を追い出すことはできないだろう」と話した。

 タパロビッチを解任した時点で、その次にはノイアーをメンバーから外し、風通しをよくしたいという意図があるのは、サリハミジッチが否定していても明白だ。だが、実際にはクラブの成績不振もあるため、ノイアーがケガから回復さえすれば復帰するのは間違いないだろう。

 3月下旬にナーゲルスマンが解任されたが、ヨシュア・キミッヒやレオン・ゴレツカといった中堅の主力選手はナーゲルスマンを支持していたとも言われている。

 そして、トゥヘル監督が就任してから4試合目となった4月13日、チャンピオンズリーグ準々決勝のマンチェスター・シティ戦後のロッカールームで事件は起きた。セネガル代表FWのサディオ・マネがレロイ・サネを平手打ちしたのだ。

 もともとマネはナーゲルスマン監督と折り合いが悪く、昨年11月の負傷復帰後も試合出場時間が短いことに苛立ちを隠さなかった。トゥヘル監督の下でも状況は変わらず、シティ戦でも途中出場となったマネは先発のサネと連係がうまくいかず、ロッカールームでの口論から殴打となったようだ。

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