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日本代表が破ったドイツ&スペインの現在。盤石とは言えない再スタートも、朗報はストライカーの台頭 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AP/AFLO

 不安があるとすれば、デ・ラ・フエンテ監督がトップレベルのプロクラブを率いた経験がない点だろう。いわゆる教育者に近く、戦術家ではない。たとえば守備の構築ではプレッシングをどこまで浸透させられるか。ルイス・エンリケが執拗な戦術マニアだっただけに、痛しかゆしだが......。

 また、スペインは、第2戦、敵地でスコットランドに2-0と負けたように、相変わらずしぶとく守って、カウンターとセットプレーを狙い、時間を稼ぐチームに対して、やや弱さがある。ほころびが出やすく、特に右サイドバックは懸案になっている。スコットランド戦に先発したペドロ・ポロは判断の悪さで先制点を献上し、ダニエル・カルバハルは軽いディフェンスで失点の契機になっていた。

 ドイツもスペインも、まだ盤石とは言えない。ユーロ2024に向け、チームをどう仕上げることができるか。そんななかで、30代の新人ストライカーが頭角を現した点は、共通する明るい材料だ。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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