守田英正、冨安健洋が演じた見せ場の数々 ELでアーセナルは「格の違い」を見せつけることができず (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 冨安は後半40分、44分にも見せ場を作った。マーカス・エドワーズ、交代で入ったアブドゥル・ファタウ・イサハクとの競り合いにたて続けに勝利。今度はディフェンス力の高さを見せつけた。ミケル・アルテタ監督の評価が上がることに期待したい。

 一方、スポルティング監督ルベン・アモリムが守田に寄せる信頼はかなり高そうである。後半13分という早い時間にイエローカードを提示され、次戦出場停止が決まった守備的MFが、フルタイム出場したという事実にそれは見て取れる。なによりイエローカードを受けやすいポジションである。守田が2枚目をもらえば、その瞬間、10人となり数的不利に陥る。次戦に出場する選手を、慣らしを兼ねて出場させる選択は常道とされる。

 ポルトガルリーグ4位のチームでフルに活躍する守田と、プレミアで首位を行くチームでなかなかスタメンを飾れずにいる冨安。選手としてどちらが幸せか。考えさせられる試合でもあった。次戦のホーム戦で冨安はスタメンを飾ることができるか、注目したい。

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プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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