「エムバペ封じ」「メッシ対策」に指を加えたまま完敗。PSG会長は不気味に沈黙、新銀河系軍団が近々解体されるのは必至

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 今回のチャンピオンズリーグ・ラウンド16における最注目カード「バイエルンvsパリ・サンジェルマン(PSG)」の第2戦は、後半にゴールを重ねたホームのバイエルンが2-0で完勝。2試合合計3-0で決着し、バイエルンがベスト8に駒を進めた。

 敗れたPSGにとっては、実に11シーズン連続で悲願達成を逃すことになった。だが、もはやラウンド16で姿を消すのは、この時期の恒例行事と言える。

またもノーゴールに終わったメッシまたもノーゴールに終わったメッシこの記事に関連する写真を見る クラブの"黒歴史"にもなっている2016-2017シーズンに起こったバルセロナ戦の悪夢以来(第1戦は4-0で勝利し、敵地での第2戦で1-6の敗戦)、PSGがラウンド16で敗退するのはこの7年間で5度目のことなのだから、そう見られても当然だろう。

 しかも今回の敗退は、カタール資本となったPSGがCL決勝トーナメントで2試合無得点に終わった初めての出来事だった。昨シーズンのラウンド16第2戦でレアル・マドリードに大逆転負けを喫した時のような、ショッキングな敗退劇でもなかった。

 負けるべくして、あっさりと負けた試合──。そこに、根深い問題が潜んでいる。

「これは、シーズンのストーリーだ。前半はすばらしい出来だったが、マルキーニョスが負傷で交代してしまい、代わったムキエレも(負傷再発で)わずかしかプレーできず、キンペンベも故障で不在。我々は重要な選手たちを欠いてしまい、17歳の選手(エル・シャダイル・ビチャーブ)に任せるしかなかった。2試合を通じて、戦力的に脆弱だった」

 試合後、クリストフ・ガルティエ監督はそう振り返ったが、指揮官の言う「シーズンのストーリー」とは、次のような意味合いだという。

 今シーズンは間にW杯を挟んだ特別なシーズンで、ラウンド16を戦うこの時期にすべての戦力を整えるのは困難。実際、この短期間にマルキーニョス、プレスネル・キンペンベ、ノルディ・ムキエレという3人のセンターバックを欠くことになった。だから、これは特別なシーズンにおけるストーリーの帰結だ......。

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