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久保建英の「猛々しさ」にスペイン人も驚き。3戦連続MVPでバルサ、レアルの取り合いになるか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「それだけの価値がありそうだったら、主審とも話をする。自分はいつも"もっと"と求め、要求する。何にも満足しない」

 久保のコメントだが、その貪欲さはスペイン人も舌を巻くほどだろう。日本では「スペイン人のようだ」と久保を形容するが、多くのスペイン人関係者が「スペイン人以上に意欲が強い」と漏らす。ゴール、アシストという数字に対しては、強迫観念すら感じさせるほどだ。

 セルタ戦の久保の寸評も、ありあまる猛々しさをたしなめるようなところもあった。

「久保はまたもいい試合をした。ラインの間にパスを入れ続け、オヤルサバルの先制点をアシスト。もう1本、裏に通したパスもすばらしかった。ただ、行きすぎた熱意か、2―0にできる決定機を得たが(シュートを外し)、4人のチームメイトは(もっといい状態で)シュートポジションにいただけに......」(『アス』)

 しかし、その猛々しさがあるからこそ、久保は久保なのだろう。失敗を成功にできるか。そこはアタッカーの宿命だ。

 次節は敵地でのバレンシア戦。残留争いで必死の相手に、ゴールネットを揺らせるか。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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