風間八宏「久々に本当の天才が出てきた」。バルセロナ・ペドリのすごさは「眼の特殊能力にある」 (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

日本はペドリに振り回されても諦める

 ケガもなく順調にいけば、今年11月のカタールW杯で日本代表はペドリと対戦することになる。果たして、日本はペドリをどのようにして抑えればいいのか。

「先ほども言いましたが、ペドリは局地的に相手を動かすことはできますが、まだチームの中心として試合を動かす存在にはなっていません。

 W杯のような大舞台でも、おそらくペドリは自分のスタイルを貫いて相手を弄ぶようなプレーをすると思います。そういう意味では、日本としては多少ペドリに振り回されても、ある程度そこは諦めて、あくまでも試合全体を考えるべきでしょう。

 いちばん怖いのは、ペドリに遊ばれている間に、他の大事なポイントを見失ってしまうこと。スペイン代表には、他にも試合を決める選手がたくさんいますから、誰を止めるのが最も効果的かを見極めておく必要があります。

 もちろん、もしW杯までにペドリが試合を動かせるレベルに進化していたら話は別です。現在のペドリの成長速度からすると、十分にその可能性もあると思います」

 彗星の如く現れたスペインの至宝は、カタールの地でどのようなプレーを披露して世界中のサッカーファンを魅了してくれるのか。末恐ろしい天才が、また現れた。

ペドリ
Pedro Gonzalez Lopez/2002年11月25日生まれ。スペインのテネリフェ島テグエステ出身。地元のクラブから隣島のグラン・カナリア島のラス・パルマスの育成組織に入り、1年後に16歳でプロ契約しトップチームデビュー。さらにその1年後にはバルセロナに引き抜かれると、すぐにレギュラーに定着し、2021年3月にはスペイン代表デビューも果たし、東京五輪にも出場した。2021-22シーズンは前シーズンのフル稼働の影響かケガによる離脱が多くなってしまったが、今シーズンはカタールW杯も含め活躍が期待されている。

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風間八宏 
かざま・やひろ/1961年10月16日生まれ。静岡県出身。清水市立商業(当時)、筑波大学と進み、ドイツで5シーズンプレーしたのち、帰国後はマツダSC(サンフレッチェ広島の前身)に入り、Jリーグでは1994年サントリーシリーズの優勝に中心選手として貢献した。引退後は桐蔭横浜大学、筑波大学、川崎フロンターレ、名古屋グランパスの監督を歴任。各チームで技術力にあふれたサッカーを展開する。現在はセレッソ大阪アカデミーの技術委員長を務めつつ、全国でサッカー選手指導、サッカーコーチの指導に携わっている。

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