ラ・リーガ新シーズンで、スペイン人記者が推すGK&DF5人。経験豊富なベテランからビッグクラブ注目の逸材まで (2ページ目)

  • マリオ・コルテガナ●文 text by Mario Cortegana
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

開幕3試合無失点のDFコンビ

DF/フアン・フォイス(ビジャレアル)

 フアン・フォイスに関しては昨季だけでも語れる事象がたくさんあったが、今季の開幕戦からの数試合で、その考えが間違いではなかったことを再認識できた。ウナイ・エメリ監督が彼を主力選手としているのはもちろん、数多くの指揮官たちも強く欲する選手へと成長した。

 そのなかで最も彼に執着しているのはバルセロナのシャビ・エルナンデス監督だ。しかしビジャレアルが高額な契約解除金を支払う以外に獲得の余地がないと明言し、交渉は成立しなかった。

 フォイスはなぜこれほど望まれる選手となったのか? それは本来のポジションであるセンターバック(CB)での絶対的な信頼を備えた上で、さらに右サイドバック(SB)として大きく成長したからにほかならない。ここまで全試合に先発出場し、安定感あるパフォーマンスでボールリカバリーやデュエルにおける能力の高さも示していた。

 フォイスの守備における活躍がなければ、バジャドリードとアトレティコ・マドリードに勝利し、ヘタフェに引き分け、勝ち点7を獲得することは難しかっただろう。チームメイトは彼の判断力やボールに対する堅実さ、オーバーラップを仕掛けるタイミングや相手ペナルティーエリア内に頻繁に進入する能力など、攻守に渡り高く評価している。

 残念ながら、その第3節ヘタフェ戦で全治2カ月の重傷を負ってしまったが、復帰後のプレーが楽しみな選手だ。

DF/ラウール・アルビオル(ビジャレアル)

 フアン・フォイスが絶好調だった理由のひとつには、経験豊富なベテランCBラウール・アルビオルの存在があることが大きい。スペインの伝統を受け継いだ優れたボールタッチを特徴とし、対人プレーやヘディングの強さが際立っている。9月4日で37歳になるが衰えを全く感じさせておらず、スペイン代表候補のひとりにも挙がっている。

 パス能力にも優れ、ここまでの3試合のパス成功数はリーガ4位(187本)、自陣でのパス成功数はリーガ2位(123本)というデータは、プレーが非常に正確な選手である証しとなっている。

 彼の好パフォーマンスによりビジャレアルは無失点、無敗を誇り、チャンピオンズリーグ出場圏内を狙える5位につけている。

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