開幕直前のラ・リーガの注目ポイント。盤石のレアル・マドリードにバルセロナは食いつけるか。久保建英はレアル・ソシエダで活躍できる? (3ページ目)

  • 髙橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

バルセロナ注目の新トリデンテ

 昨季のリーガを2位で終え、CLではグループステージ敗退と大失態を犯したシャビ・エルナンデス政権2季目のバルセロナは、クラブの威信をかけ大幅補強を敢行した。

 これまでフランク・ケシエ(コートジボワール)、アンドレアス・クリステンセン(デンマーク)をフリー、ラフィーニャ(ブラジル)、ロベルト・レバンドフスキ(ポーランド)、ジュール・クンデ(フランス)を合計1億5300万ユーロ(約214億2000万円)で獲得した。さらにウスマン・デンベレ(フランス)の残留に成功し、チェルシーDFマルコス・アロンソ(スペイン)との契約間近という報道も出ており、復活に向けて並々ならぬ意気込みが感じられる。

 しかし多額の借金やサラリーキャップといった問題がいまだ山積みで、新たに補強した選手を開幕直前まで登録できていない。回避策として選手に給与カットを迫り、テレビ放映権の25%(25年間)と子会社の25%を売却した。ここまでオスカル・ミンゲサやリキ・プッチ(共にスペイン)などを移籍させたが、人員過多の状況は変わらず、さらなる放出が必要である。

 プレシーズンを7月4日にスタートし、アメリカツアーを実施した。プレシーズン全6試合の成績は4勝2分0敗18得点3失点。1試合平均3得点と高い得点力を発揮し、手応えをつかんでいた。とくにリーガ開幕前最後のテストマッチとなったジョアン・ガンペール杯プーマス戦では、レバンドフスキ、ペドリ、デンベレ、ラフィーニャらがすばらしい共演を見せ6-0で大勝し、13日のラージョ・バジェカーノ戦に向けてサポーターの期待感を高める結果となった。

 ラージョ戦に向けたスタメンでは、デンベレ、レバンドフスキ、ラフィーニャの新たなトリデンテ(三又の鉾)に注目が集まりそうだ。さらにアンス・ファティ(スペイン)やピエール=エメリク・オーバメヤン(ガボン)なども控えており、世界屈指の攻撃陣と言える。

 中盤はワールドカップで日本の脅威になり得るガビ、セルヒオ・ブスケツ、ペドリのスペイン代表勢で形成される。DFではジェラール・ピケ(スペイン)が控えに回る可能性が高く、クリステンセンやクンデがスタメン入りしそうだ。またロナルド・アラウホ(ウルグアイ)が右SBで起用される可能性がある。

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