鎌田大地、レアル相手に見せ場。主力の移籍でチーム内で貴重な存在へ (2ページ目)
レアル戦は鎌田が反撃の基点に
一方、鎌田大地はバイエルン戦ではベンチ入りしながら出場なしに終わっていた。鎌田は、バイエルン戦4日前のドイツ杯1回戦マグデブルク戦でボランチとしてプレーし、2得点を叩き出していた。昨シーズンまでと違うボランチでの起用、特に課題とされる守備面に手応えを感じ、信頼を勝ち取った一戦となった。
だが、バイエルン戦では主将でボランチのセバスティアン・ローデが復帰したことも影響して出番なし。さすがにこれはこたえたようで、試合後はあっという間にスタジアムをあとにしている。
その鎌田がレアル・マドリード戦では先発に復帰。前半は3-4-3のシャドーに入り、70分すぎからはボランチでプレーした。
シャドーでもボランチでも、フランクフルトはボールをキープできる鎌田がいることで攻撃の時間ができており、攻め込まれる時間が続くなかで反撃の基点になっていた。ただし、決定力には向上の余地があるかもしれない。
前半14分、中盤でボールを奪い取ったアンヅガー・クナウフがラファエル・サントス・ボレへ。ボレは前線を走る鎌田へと長いパスを送った。鎌田はGKティボー・クルトワとの1対1に持ち込んだが、シュートはGKに吸い込まれるように、その腕で止められた。1対1で少し時間をかけたために、クルトワの間合いに引き込まれてしまったし、戻って来たディフェンダーにもコースを狭められていた。
グラスナー監督は「鎌田に対するクルトワのセーブは決定的だった。1?0になっていればだいぶ違ったのだが......。クルトワは大地がどこを狙って撃つか、早い段階で察知していた。それがワールドクラスというものだ」と、わざわざこのシーンを取りあげて相手GKを称えた。
とはいえ、開幕戦で出場機会がなかった鎌田の立場を危惧する必要はなさそうだ。コスティッチが欠けて選手が足りない現在、複数のポジションをこなすことができる鎌田は貴重な存在であることは間違いない。
コスティッチ同様、移籍が取りざたされていた鎌田。夏の移籍市場はまだ残っているが、今季チャンピオンズリーグに出場するフランクフルトを退団するとは考えづらい。フランクフルトで試合を重ね、W杯メンバー入りを狙うことになるだろう。
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