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リバプールvsレアル・マドリード。CL決勝の戦力を識者3人が徹底比較。「監督対決も楽しみ」 (2ページ目)

  • photo by Getty Images

DF&MFの戦力を比較

中山 総合的に見て、DFの戦力はリバプールのほうが上回っていると思います。何と言っても、ファン・ダイクの存在が大きい。彼の速さや強さを含めた守備能力は説明するまでもありませんが、個人的に注目しているのは、彼のロングパスの精度ですね。

 前線に精度の高いロングパスを供給できるので、いわゆるプレスの"逃げ口"にもなれる。セットプレー時の空中戦の強さもそうですが、あの守備能力を持ちながら、攻撃面でも武器になれる点で、間違いなく世界最高レベルの選手だと思います。

 おそらく彼とコンビを組むのは若いコナテになると思いますが、最近は以前よりプレーが安定してきましたし、空中戦も含めてフィジカル能力が高い。時々裏を取られるケースがありますが、ファン・ダイクのカバー能力が抜群。CBコンビとして見た場合でも、レアル・マドリードのアラバとミリトンを少しだけ上回ると見ています。

 また、両SBの比較でも、攻撃力とキック精度が異常にハイレベルなリバプールの2人に軍配が上がると思います。もちろん、レアル・マドリードのメンディとカルバハルも攻撃力は高いですし、とくにカルバハルは勝負どころの見極めみたいなものが、攻守にわたって優れています。

 ただ、ロバートソンとアレクサンダー=アーノルドは、場合によっては2人のロングレンジのパス交換でフィニッシュしてしまうほどのダイナミズムがある。それは、ほかのチームにはない、リバプールならではの武器だと思います。

倉敷 では、次に中盤を比較しましょう。リバプールの3人は、ファビーニョ、ジョーダン・ヘンダーソン、そしてチアゴ・アルカンタラが残念ながらケガと報じられていますのでナビ・ケイタかジェイムズ・ミルナーで予想します。対するマドリードは、いつもどおりなら、カゼミーロ、トニ・クロース、ルカ・モドリッチの3人です。小澤さんは、両チームの中盤3人を比べてどちらが上だと思いますか?

小澤 引き分けですね。というのも、最近のファビーニョはすさまじいレベルの選手になっていると感じていて、ラ・リーガの看板ピボーテのカゼミーロやセルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)の域を超えているかもしれないと思うくらいなので。

 ボールを刈り取れて配球も抜群で、すべての局面をうまくつなげてくれるファビーニョがいて、さらにチアゴがクロップのサッカーにフィットしてきています。そのチアゴがケガで欠場となると、リバプールにとっては痛いですね。それと、ヘンダーソンやケイタのどちらが入っても、外に張るサラーの内側のレーンで無駄走りとわかっていながら走ってくれる。すごくバランスがいい中盤だと思います。

 一方のレアル・マドリードも、中盤は不動の3人がいて、たしかに身体的な衰えは多少ありますけど、とくに今シーズンのモドリッチは別格のプレーを見せている。それと、クロースが少しだけ調子を落としている点は心配で、個人的には、もしかしたら決勝戦ではクロースではなくフェデリコ・バルベルデを先発させて、右ウイングにロドリゴを使う可能性もあると見ていますが、そうなっても遜色ないレベルは保てるはずです。

 とはいえ、決勝戦で相手がリバプールとなると試合巧者ぶりを発揮する必要があるので、普通にいけばカゼミーロ、モドリッチ、クロースの鉄板3人をスタメン起用して、カルロ・アンチェロッティ監督が彼らの経験値を優先するでしょう。それも含めて、両チームの3人はがっぷり四つだと見ています。

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