世紀の金満クラブ対決「レアルvsパリ」。総売上、放映権、選手年俸...経済面で比較してみた (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

インフラ整備でも競い合う両者

 迎える第2戦では、レアルではカゼミーロとメンディが出場停止のため、MFフェデリコ・バルベルデ(400万ユーロ/約5億200万円)もしくはMFエドゥアルド・カマヴィンガ(400万ユーロ/約5億200万円)、DFナチョ・フェルナンデス(369万ユーロ/約4億6300万円)らがスタメンに名を連ねると見られる。

 一方、パリは推定年俸3100万ユーロ(約38億8700万円)のFWネイマールがスタメン復帰予定。そうなると、その差はさらに大きく広がる。

 レアルは現在、チーム最高の1350万ユーロ(約16億9300万円)という高額年俸を受け取るFWガレス・ベイルとFWエデン・アザールが、いずれもベンチを温める状態だ。彼らふたりの不振が経済的にも大きなダメージになっていることは否めない。

 そのほか、インフラ整備という点でも、この両チームは競い合っている。

 現在マドリーが進めている本拠地サンティアゴ・ベルナベウのリニューアル工事には、約1150億円が投じられる見込みだ。完成したあかつきには、斬新なかつ巨大な新スタジアムとその周辺から新しい収入源が生み出されるだろう。

 対するパリも、現在パリ郊外のポワシーに新しいトレーニングセンターを建設中。その投資額は350億円以上と言われており、予定どおり来年に完成すれば、クラブハウスをはじめ、トップチーム、ユースアカデミー、女子チームの練習場、スタジアム、ハンドボールと柔道の練習場、さらには学校など、現在の練習場とはケタ違いの巨大施設が整う。

 多くのクラブが財政難に苦しむこのご時世、この両クラブの経済力はまるで止まるところを知らないようだ。果たして、金満対決という側面も持つ両雄の対決の行方には、いかなる結末が待ち受けているのか。さまざまな観点から見逃せない一戦になる。

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