世紀の金満クラブ対決「レアルvsパリ」。総売上、放映権、選手年俸...経済面で比較してみた (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

人件費がハンパない両チーム

 対するパリは、総収入の55%を占める広告収入が2億9860万ユーロ(約375億円)、28%にあたる放映権収入が1億4960万ユーロ(約188億円)、17%にあたるマッチデー収入が9240万ユーロ(約116億円)。近年は増加傾向にあるとはいえ、リーグ・アンの放送権料とラ・リーガのそれとではまだ大きな開きがあり、それが約100億円の差となっている。

 一方、選手の人件費で比較すると、立場は逆転する(capology社調べ)。

 昨シーズンまで世界トップの人件費を支払っていたレアルの今シーズンにおける年間総人件費は、税引き前の金額で推定3億1189万ユーロ(約391億円)、税引き後では推定1億4968万ユーロ(約188億円)。2020−21シーズンの税引き前の総額が推定3億2117万ユーロ(約403億円)だったので、微減した格好だ。

 そのレアルを追い抜いたのがパリで、今シーズンの税引き前の総人件費はなんと推定3億7562万ユーロ(約471億円)。税引き後で推定2億658万ユーロ(約259億円)と、ダントツの世界トップを誇り、2020−21シーズンの税引き前の総額だった推定2億4254万ユーロ(約304億円)と比べ、今シーズンは約167億円もアップしたことになる。

 FWリオネル・メッシ(バルセロナ→)、DFセルヒオ・ラモス(レアル・マドリード→)、GKジャンルイジ・ドンナルンマ(ミラン→)、MFジョルジニオ・ワイナルドゥム(リバプール→)、DFアクラフ・ハキミ(インテル→)と、今シーズンに加入した新戦力がいずれも高額年俸の選手であることに加え、放出リストに上がっていた選手の売却が思うように進まなかったことが人件費高騰につながった。

 総収入で上回るレアルよりも、下回るパリがより多くの人件費をかけているという点では、確かにレアルのほうが経営的には上と評価できる。だが、ピッチ上の豪華さという点ではパリに軍配が上がる。

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