プレミア3連勝のアーセナルは前線の質が向上。相手ゴールをこじ開けた「斜めの動き」とは? (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer
エンケティアとペペがクロスするように斜めに動き、中央のスペースを突いた

 堅守を誇るウォルバーハンプトンの守備を破るスイッチとなったのは、エンケティアの動き出しである。

エンケティアが斜めの動きからボールを受け、空いた中央のスペースをペペが突いたエンケティアが斜めの動きからボールを受け、空いた中央のスペースをペペが突いたこの記事に関連する写真を見る 最初の立ち位置は、ペペが、相手の3バックの左センターバック、ロマン・サイスと左ウイングバックのラヤン・アイト=ヌーリの間に立ち、エンケティアは3バック中央のコナー・コーディにマークされる形で立っていた。

 そして、ウーデゴールがサイドから中央へドリブルで進入すると、エンケティアがコーディを引き連れるように右斜めへダイアゴナルに走り出した。これに呼応するようにペペは左斜めに走り出し、サイスの裏を取った。

 ウーデゴールは浮き球のパスを最終ラインの裏へ出すと、エンケティアが抜け出してボールに追いつく。この時、コーディを釣り出したことで、中央にはスペースが生まれ、そこへペペがクロスするように走り込んだ。

 エンケティアはワンタッチでボールを中へ折り返し、そこへ走り込んだペペはターンしながら巧みに右足でコントロールすると、振り向きざまに左足でゴールに突き刺した。

 起点となったエンケティアの、スペースを作りながらボールを呼び込む動きの質、そこへ絶妙なパスを送ったウーデゴールの質、そしてペペのスペースへの動きとフィニッシュワークの質で、見事にこじ開けたゴールだった。

◆【動画】プレミアリーグ アーセナルvsウォルバーハンプトン ハイライト
(アーセナルの同点ゴールは、1分25秒~51秒)

◆【図】2021-22シーズン中間地点 欧州トップ10クラブフォーメーション

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