香川真司が加入するシント・トロイデン。移籍してきた日本人はその後どう羽ばたいていった? (2ページ目)
【存在意義を示した遠藤と鎌田】
ご存知のとおり、23歳にして代表28キャップを誇る冨安は、2021年8月にイングランドの名門アーセナルに移籍。今シーズンはレギュラー右SBとして活躍中だ。シント・トロイデンとしても、日本の若手が実質1シーズンで理想的な飛躍を遂げてくれたという意味で、冨安は最高のサンプルとなったと言える。
その効果もあり、シント・トロイデンは2018年夏に計4人の日本人を獲得している。第2期生となったのは、浦和レッズの遠藤航(当時25歳)、ドイツ・ブンデスリーガのフランクフルトで構想外となっていた鎌田大地(当時22歳)、同じくドイツ2部のインゴルシュタットでくすぶっていた関根貴大(当時23歳)、そして流通経済大学を休学して加入した小池裕太(当時21歳)だ。
当時の遠藤は、湘南ベルマーレで6年を過ごし、浦和で3年目を迎え、リオ五輪に出場。すでに日本代表デビューも飾っていた実績十分の即戦力だけに、加入初年度からリーグ戦17試合に出場した。シーズン終了後の2019年夏には、ローン移籍ながらシュトゥットガルト(当時ドイツ2部)に羽ばたき、2020年4月に完全移籍。その後の成長と現在の活躍ぶりは周知のとおりだ。
一方、2017年6月にサガン鳥栖からフランクフルトに完全移籍を果たしていた鎌田は、新天地シント・トロイデンでリーグ戦12ゴールを記録するなどの活躍で自信をつけたことが、その後のキャリアを好転させるきっかけとなった。ここ2シーズンはフランクフルトで主軸を張るまでに成長を遂げたという点でも、シント・トロイデンの存在意義を別の側面からアピールしたと言える。
逆に、新天地で力を発揮できなかった関根は2019年6月に古巣の浦和に復帰し、フィットできなかった小池も、2019年3月にかつて特別指定選手としてプレーした鹿島アントラーズへローン移籍することとなった(現在は横浜F・マリノスに所属)。
ちなみに、そのシーズンの冬には、スウェーデンのハルムスタッズで13ゴールをマークした木下康介(当時24歳)が加入。シーズン終了後にノルウェーのスターベクに移籍している(現在は水戸ホーリーホックに所属)。
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