古橋亨梧、前田大然、旗手怜央、井手口陽介でも異例の安さ。セルティックの日本人獲得戦略

  • アレックス・オヘンリー●文 text by Alex O’Henley
  • 井川洋一●翻訳 translation by Igawa Yoichi

【日本人カルテットを形成】

 予想されたとおり、今冬の移籍市場が開くやいなや、セルティックが新たに3人の日本人選手を獲得した。

セルティックでのトレーニングに励む旗手怜央(中央)と前田大然(右) photo by Getty Imagesセルティックでのトレーニングに励む旗手怜央(中央)と前田大然(右) photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 前田大然を横浜F・マリノスから(買取オプション付きの期限付き移籍)、旗手怜央を川崎フロンターレから(完全移籍)、井手口陽介をガンバ大阪から(完全移籍)獲得し、古橋亨梧と共に日本人カルテットが形成されることになる。

 昨夏まで横浜FMを率いていたアンジェ・ポステコグルー監督は常々、自身がよく知るマーケット、つまりアジア市場に目を向け、フロントと密に連携しながら冬の補強を画策していた。クラブが首尾よく迅速にことをまとめ、新たに加わった3人の日本人選手たちは、1月17日にリーグが再開されるまでチームに順応する時間を十分に得ている。

 では、彼らはセルティックに何をもたらすのか? 横浜FM時代にポステコグルー監督を補佐したジョン・ハッチソンによると、元教え子の前田はスコットランドでも守備者たちを「急襲するマシーンになる」と、英紙『サン』に話した。

「彼ほど猛烈なスピードでスプリントを繰り返せる選手は見たことがない。化け物のようなフィジカルを持っている」

 横浜FM時代から指揮官を「ボス」と呼んでいた24歳のストライカーはおそらく、3人のなかでもっとも早くチームに馴染めるだろう。そして古橋と共に、スピーディーで決定力の高い2トップを組むことになるかもしれない。

 多くのポジションを担える旗手はまず、レフトバックを任されるか。負傷したレギュラーのグレッグ・テイラーのコンディションがなかなか整わず、以降はクオリティーを欠いてきたポジションだ。ハッチソンによると、旗手は「ほぼどこでもプレーできる」という。

「中盤、左右のウイング、両サイドのフルバックで起用され、すべてを難なくこなしていた」

 一方、ポステコグルー監督は新年最初のインタビューでこの24歳を「攻撃的MF」と評し、川崎が誇る「とてつもない才能のひとり」と称えている。高い知性と技術、汎用性、運動能力を考慮すれば、自陣ボックスから敵陣ボックスまでをカバーするMFとなってもおかしくはない。

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