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ファン・ハールのカリスマ性は70歳になっても絶大。蘇ったオランダ代表、2大会ぶりのW杯へ (5ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

「モンテネグロ戦と比べると、今日のオランダはずっとコンパクトだった」と満足そうにファン・ハール監督は語った。

「それにしても、ゴールが決まっても今日のあなたはクールでしたね?」と、オランダ人記者が訊いた。試合中、鉄仮面のようだったファン・ハールは「ほんのちょっと動くだけで、私は痛いんだ」と弱ったような顔をして答えた。

「終わりよければ、すべてよし」

 それが試合翌朝の全国紙『アルヘメーン・ダッハブラット』の見出しだった。

 3月の予選初戦ではトルコに2−4で惨敗した。ユーロではベスト16で不甲斐なく敗退し、フランク・デ・ブール監督が代表を去った。それから国民の総意を受けて、ファン・ハールの3期目が始まった。

 トルコとのリターンマッチを6−1で勝利したことで潮の流れが変わったと思いきや、モンテネグロ戦の「魔の10分」があった。しかし、70歳のファン・ハールには、孫のような選手たちに鋭気を取り戻すパワーとカリスマがまだ備わっている。こうして迎えたノルウェー戦で、オランダは「歓喜の10分」を迎えて2点を奪った。

 来年11月の本大会ではどうだろう。ファン・ハールの代表1期目は失敗した。しかし、2期目のブラジルワールドカップでは5バックと4バックを併用して3位になった。3期目の今回、予選ではオランダ伝統の4−3−3を採用したが、本番では5バック採用の可能性をファン・ハールはほのめかしている。

オランダ伝統の4−3−3に対して近代トップクラブの布陣は?

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