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ネイマールも無事に登場。大迷走と大混乱の末にコパ・アメリカが開幕 (2ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki
  • photo by Reuters/AFLO

 混乱が沈静化しない中、コパ・アメリカが開催できるのかどうかが焦点となったが、5月20日、コロンビア政府はコロナの蔓延を表向きの理由としてCONMEBOL(南米サッカー連盟)に11月への延期を要請。しかしこれは瞬時に却下され、コロンビアでの開催がなくなった。

 この時点で開幕まで1カ月を切っていた。コロンビアの代替地の候補となったのは、アメリカ、チリだ。

 当初の予定では最大50%の有観客を想定していたが、ここに至ってそれは困難になってきた。しかし、アメリカ開催ならそれが可能となる。入場料収入が見込めるのは大きな魅力だし、アメリカでは2016年にコパ・アメリカの100周年記念大会を開催した実績もある。そんな期待が寄せられたアメリカ開催案だったが、アメリカではCONCACAF(北中米カリブ)の王者を決めるゴールドカップが開催され、日程が一部重なることが判明。アメリカ案は断念された。

「史上初の二カ国共催」がうたい文句であったため、チリでの開催も有力視されていた。しかしチリは南ゾーンの国だ。コロンビアでの試合をそっくりチリに持ってくることはできるが、地元チームのいない大会となってしまうとあって、チリの目もなくなった

 こうして、いったんはアルゼンチンでの1カ国開催に決まりかけた。しかし、アルゼンチンは感染急拡大によるロックダウンの真っ最中。当初は北ゾーンの受け入れにも肯定的だったアルベルト・フェルナンデス大統領だったが、国民や政府内で反対論が高まると、30日に開催返上を決定した。もはや開幕まで2週間を切った段階で、大会はまさかの開催地未定となってしまった。

 これでいよいよ開催は不可能かと思われたが、6月1日にはブラジルでの開催が発表される。コロナ軽視派のボルソナロ大統領が、CONMEBOLにとって最後の砦となったのだ。

 しかし、ブラジルでも世論は「今回の開催は見送るべき」に傾いており、最大の都市サンパウロを擁するサンパウロ州の知事は州内での試合を拒否。ブラジル代表ではチッチ監督やキャプテンのカゼミーロから大会のボイコットを示唆する発言が飛び出した。さらに開催差し止めの請求が最高裁判所に提訴された。

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