ユーロ新勢力図。フランス、イングランド...1年延期の恩恵を受けるのは? (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AP/AFLO

 それが、明らかに見て取れるのが、欧州でオランダと同じ立ち位置にあるポルトガルだ。とりわけユーロでは、1996年イングランド大会以降、優勝1回(2016年)、ベスト4が2回(2000年、2012年)、ベスト8が2回(1996年、2008年)、という輝かしい実績を残している。

 選手の顔ぶれも年々、充実している。ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド)、ジョアン・フェリックス(アトレティコ・マドリード)、ルベン・ディアス、ジョアン・カンセロ、ベルナルド・シルバ(マンチェスター・シティ)、ラファエル・ゲレロ(ドルトムント)、ディエゴ・ジョタ(リバプール)など、ポルトガルをダークホースと言うのは失礼に当たりそうな、欧州で活躍する好選手がずらりひしめいている。ロナウドのワンマンチームではもはやない。

 今回も行けそうだと言いたいところだが、ブックメーカーの優勝予想では、フランス、イングランド、ベルギー、スペインに次いで5番手止まりだ。それは、ポルトガルが所属するF組の顔ぶれとも深く関係する。フランス、ドイツ、ハンガリー。ハンガリーはともかく、フランス、ドイツのどちらかを抑え、この「死の組」を抜けるのは至難の業だ。

 この組の予想をする上で欠かせないポイントは、かつての王者、ドイツをどう見るか、だ。上昇しているのか、下降しているのか。ネーションズリーグにおける成績を見る限り、後者とみる。2020-21大会では、グループリーグでスペインに0-6のスコアで敗れる屈辱を味わっている。選手の顔ぶれは悪くないが、ポルトガルとは真逆の、大国の油断が見て取れる。

 ネーションズリーグの準決勝で対戦することが決まっているスペインとイタリアも、上昇中なのか、否かが注目される国だ。

 2022年は早くもワールドカップイヤーだ。今回のユーロ2020は、W杯でベスト8入りを狙う日本にとっては、まさに見逃せない大会となる。日本代表がこの大会に出場したら何番になれるか。敵はアジアにあらず、なのである。

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