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ジダンの窮地を救えるのは誰だ? 大勝しても「変われない」レアル (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AP/AFLO

 ジダンは、稀代の戦術家ではない。堅陣を組んで相手を誘い込み、前線の得点力で勝負する。シンプルなやり方で勝利をつかんできた。その殊勲者であるクリスティアーノ・ロナウドの後釜をアザールに任せようとしたが、明らかに役者が違う。

 ただ、フランス人指揮官は勝負の本質は弁えている。選手の特性を見抜き、ひとつにまとめる力という点で、他の追随を許さない。現状では、"だましだまし"の戦いで勝率を高めると腹を括っているはずだ。

 後半戦の切り札としては、マルコ・アセンシオの名前を挙げたい。

 アセンシオはケガもあって、ここ数年、真価を発揮しきれていない。しかし、プレービジョン、イマジネーション、左足のキック&コントロールはリーガ屈指。連係面も優れ、周りを輝かし、自らも輝くことができる。スピード、パワーも野獣的で、ゴールに向かうセンスはリオネル・メッシに次ぐ。右アタッカーとして、来季以降は久保建英のライバルにもなりそうだが、現時点での総合力は上だ。

「マドリードでは、1試合負けただけで批判が巻き起こり、次の試合にプレッシャーがかかる。我々はそれに慣れているし、経験もある。倒れるたび、起き上がるよ」

 アラベス戦後、ベットーニの証言だ。

 次節、1月最後の試合はレバンテ戦。大勝した後の試合は簡単ではない。彼らは勝ち続けることが宿命なのだ。

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