欧州CL出場各クラブの現状を解析! コロナ下の超過密日程の影響は (4ページ目)

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中山 交代枠問題については、プレミアのトップクラブの監督たちが「不公平ではなく、必要なルールだ」と不満を露にしていますよね。ただ、12月にも改めてクラブ代表者の投票によって3人枠の継続が決定し、その代わりではないですが、第14節からは1試合のベンチ登録人数を7人から9人に増やしました。加えて、脳震とう、またはその疑いのある選手が出た場合に限って、最大2人の交代枠を追加するルールを試験的に導入することになりましたが、それだけでは他リーグとの差を埋めることは難しいでしょう。

倉敷 つづいてドイツ・ブンデスリーガです。4チームすべてがベスト16入りしました。ディフェンディングチャンピオンのバイエルンとドルトムントが1位通過、ライプツィヒとボルシアMGが2位通過でした。

中山 ドイツ勢がCLで好成績を残す、近年の傾向は変わりませんでした。優勝候補最右翼のバイエルンは、ケガ人が多くてまだ6~7割の実力しか見せていないと思いますが、それでも最後の2試合は3バックを試したり、大幅なターンオーバーを行なったりと、余力を残して突破した印象です。

 ドルトムントはアーリング・ハーランド(ノルウェー)の活躍が際立っていましたが、彼の負傷離脱後に得点力が明らかにダウンしたのは、依存度が予想以上に高かったことの証明になったと思います。結局、リュシアン・ファブレ監督(スイス)が解任されて、アシスタントだったエディン・テルジッチ(ドイツ)が監督に昇格しましたが、これで昨季のバイエルンのように、ポジティブな化学反応が起こるかに注目ですね。

小澤 2位通過を果たしたボルシアMGは、ライプツィヒの系譜を継ぐマルコ・ローゼ監督(ドイツ)のサッカーが印象的でした。インテンシティが高く、かつ縦に速く、マルキュス・テュラム(フランス)など個の能力を生かすスタイルでゴールを奪いにいきます。その一方で、プレッシングで相手を飲み込み、プレー強度で勝るというサッカーが、このコロナ禍のなかでどこまで継続できるかという視点で見ると、厳しさも感じました。

 ライプツィヒもそうですが、自分たちよりも個の力が上回る相手と対峙し、その相手が同じようなプレー強度で対抗してきた時、どうしても歯が立たないという問題が浮上します。「ある程度選手が変わっても同じサッカーはできるが、個の能力も大事にする」という方向に、ブンデス全体が進む可能性もあるという意味でも、この2チームの今後の行方は興味深く見たいと思っています。

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