欧州CL出場各クラブの現状を解析! コロナ下の超過密日程の影響は (5ページ目)

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<スペイン勢はスター高齢化も自力あり>

倉敷 次はスペインのラ・リーガ勢です。今季も4チームすべてがGSを突破しました。ただ1位通過はレアル・マドリードだけで、バルセロナ、アトレティコ・マドリード、セビージャは2位通過でした。

小澤 CLを勝ち抜くレベルのプレー強度、ハードワークという部分は今年のみならずここ数年のラ・リーガ勢に欠けています。バルサのリオネル・メッシ(アルゼンチン)、マドリーのカリム・ベンゼマ(フランス)、セルヒオ・ラモス(スペイン)など、近年はビッグクラブほど個に依存するサッカーの比重が高く、その分彼らが高齢化した時にインテシティが低下してしまい、簡単に勝てなくなってきた傾向は今季も見られました。そういう意味では、よく4チームすべてがグループステージを突破できたな、というのが率直な感想ですね。

中山 たしかに自分たちの実力を発揮してベスト16に勝ち上がったというよりも、組み合わせなど他チームとの実力差によって勝ち残った印象はあります。とはいえ、いつもの強さはなかったにしても、相変わらずラ・リーガ勢のサッカーのレベルは高い。たとえば近年ランキングを上げているブンデス勢と比較しても、チームとしても選手としても、まだ両国の間には大きなクオリティの差があるように見えます。

倉敷 イタリアのセリエA勢はどうですか? インテルだけが最下位で敗退しましたが、ユベントスは1位、アタランタとラツィオは2位通過を果たしました。

小澤 ユベントスは、アンドレア・ピルロ新監督(イタリア)がとくに難しいサッカーをしている印象はなくて、どちらかというと戦術的な部分より、現有戦力をうまく使っていくマネジメントのほうが目立っている印象です。もちろんディフェンスの枚数を変えたり、中盤の構成も変えたりしますが、基本的にはソリッドに守ってクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)やアルバロ・モラタ(スペイン)に得点をとってもらうというスタイルなので、脇役の部分がもっと固まってこないと、ラウンド16以降の戦いは厳しくなると見ています。

 それと、インテルの敗退については、アントニオ・コンテ監督(イタリア)が少し戦術に固執しすぎた部分が否めず、逆に自分たちで試合を難しくしてしまった印象です。プレッシングのはめ方を間違ったマドリー戦などはその典型で、監督の采配ひとつで大きく結果が変わってしまう姿を目の当たりにしました。

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